布団に乾燥機をかけて、飯食った後にほかほか布団でぬくぬくしてたらいつの間にか3時間ほど寝てた。今日は部屋の掃除をして『異邦人』を読み終わった後はこれといって何もしなかったなぁ。ネット見ながら音楽聞いてたら夜だった。もうちょい時間を有効に使わないといかん。
それで『異邦人』なんだけど、なるほどどうだ、こいつはすげぇ。正直前半はひたすら退屈だったが、最後の30〜40ページは暗い内容ながら一気に読まされてしまった。なまじ電車の中で読んで途中で集中を切られなくてよかった。
感想は絶望的に書きにくいけどね。神を信じるとかいうことじゃなくて、本当の意味で自分で自分を受け入れることができるのか。神を媒介してしか世界を見られない司祭と、世界を、自分をそのまま受け入れているムルソーのどちらがより真理に近いんだろうか。
個人的には
私ははじめて、世界の優しい無関心に、心をひらいた。
という一文が印象的だった。確かに誰がどうであろうと、どうなろうと、さらには自分が死ぬことになるとしても、それは世界にとっては特に重要なことではない。どちらにしてもみんな等しく死ぬわけだし、それが早かろうが遅かろうが、未来が変わるわけではない。結局世の中のことには、これひとつとして意味はないのだ。
しかしそれは冷たい一方で、優しくもある。世界は万人に対して無関心であり、その点で非常に平等である。何かがいいとか悪いとかというのは人間が考えたものにすぎず、世界はそれを肯定も否定もしない。たとえ誰かが誰かを死刑にしたとしても、死刑を宣告した人も死刑囚を愛した人も憎んだ人も最終的には全て死に、後には何も残りはしない。世界は優しくも、全ての人に特別な注意を払ったりはしない。
でもそう思ったときに初めて、身の回りのことに関心が持てる気がする。太陽がまぶしいのも空が青いのも、花が綺麗なのも恋人を抱きしめるとあたたかいのも、世界にとっては無意味でも自分にとってはやっぱり意味のあることである。そのひとつひとつを認識することが、自分が自分であることなんじゃないか、と思ったりするわけだ。
・・・・・・・・・・、はい。わかりにくいね(笑)。
でも確かに不条理の記述ではあるんだけど、それがアンチテーゼではなくテーゼ的に心に訴えてくる物があんのよ。たぶん。
全部で130ページ弱だから割とすぐに読める。読みたい人には適当に貸します。